日本のことを聞かれて、すごく簡単なことでも答えるのはとても難しい。
例えば、「日本は朝もお米を食べるの?」と聞かれて、私の基準で「今は食事も結構欧米化されていて、朝食はパンの人が多い」と答えたら、外国人にとっては「日本では朝もお米を食べるのは古い話だ」なんてことになってしまう。もちろん朝からお味噌汁とごはんと納豆や焼き魚を食べる人もいるのだから、答える時は必ず、「・・・パンの人も多くなってきているけど、でもお米を食べる人もいる」と自分の習慣以外のことも付け加えるようにしなくちゃいけないと常々思うのです。日本全体のことを聞かれると、偏った意見を言ってはいけないな、となんとなく責任感を感じたりして。 逆にアルゼンチンについて知りたい事も、夫・エドに聞く時は、「それって根拠あるの?」とか「その話の出所は?」と聞くそんじょそこらの記者よりも厄介な妻。だってエド一人の意見だけではなくて、アルゼンチンにおいてどうなのかって聞きたいから、「これ偏った意見っぽい…」なんて思った時は、他の人にも聞いたりすることも。「信じてないの~?」って言われたりもするけど、その時は「全体の意見を聞きたい」と主張するのですよ。 ま、ちと真面目になったけど、日本についてよく聞かれるというか頼まれるのが、『名前を漢字で書いてほしい。』 漢字?うーんと、日本語には平仮名と片仮名と漢字があって、平仮名と片仮名でなら書けるけど漢字では書けなくてね、でも中国の新聞じゃハリウッド・スターも漢字で書くみたいだから、本当は書けるのかな、なんてダラダラ説明しても相手はチンプンカンプンになってしまうので、漢字?音と合わせて当て字で書く事はできるけど、それでいい?ということになるのです。 で、この間頼まれたのは『ダニエル』と『ギジェルモ』 (ジェ?ジェなんて漢字あるの…?)ということが瞬時に頭を掠めていくだって、なるべくスラスラっと書きたいのだもの。(日本人のプライド?) まずは ダニエル 多仁絵流 次が ギジェルモ 技自英留文 (「夜露四苦」とかみたいな要領でね♪) 紙ナプキンに書いたそれをとっても喜ぶ二人。すっごく嬉しそう。 『でさ、なんて意味?」(い、意味?こんなに喜んでる顔みたら、なんか言ってあげなくちゃいけないぞ…。) 「えっと、多仁絵流はねぇ、多くの正義と戦って絵のような人生を送るってことで…」 ふんふん、と満足げなダニエル。 「でね、技自英留文はね、英語を使った自分のスキルで素敵な文章を書くってことかな…」(彼はロンドンに数ヶ月住んでいて、英語が話せるので、そんな経験を織り交ぜたりして。) これにギジェルモは「オレの名前は英語名でウィリアム。イギリスの有名な作家・ウィリアム・シェイクスピアもウィリアムだし…!」と意気揚々。現在、レンタルビデオ屋の店長、新たな夢が開けたようです。 二人はこの紙ナプキンを大事そうに畳んで、大切にジーンズのポケットにしまっておりました。(もちろん、これはあくまでも当て字で、意味は漢字から適当に付け加えただけだから、意味と人生には責任は持てませんと小声で言っておきましたよ。) ちなみに以前、中国人に「私の名前の『晃』って中国語だとどんな意味?」って聞いたら、「これ~?この漢字ほとんど使わないからなぁ。特に意味ないよ~。」と言われ、意味のない漢字なんてあるのかっ?と腑に落ちなく、別の台湾人に聞いたら、「これ~?あまり見た事ないなぁ。」と言われ、「え?でもなんか意味あるでしょう?」と食いついたら、「しいていえば、糸にぶるさがったお金なり石なりの錘がゆらゆら揺れてるっていう意味かなぁ。」 「え?じゃあ、意味はゆらゆらってこと?」「うん、そう、ゆらゆら」 しつこく聞かなく方がいいこともあるもんです…。
by aquiakiko
| 2006-03-03 18:23
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